- SATO RYOJI

- 4月30日
- 読了時間: 2分
更新日:5月24日
祖母のいる老人ホームへ不定期に顔を出しています。幼い頃からの思い出があるから健康な時分と現在の寝たきりの状態、話の変化などを見て興味深く感じました。思い出話が別の記憶と繋がる、事実しか喋ってないのにファンタジーのようだった。「神社の奥に女性が二人、小銭を投げると鯉がついてくる。刃物を投げる医者が、、」支離滅裂にも思うが詳しく母と紐解くと解読できたりする。
過去の出来事であったり物の例えであったりが色んなタイミングで繋がっているんです。そういう不安定な状態でも家族や大事なことはきちんと覚えていたり物事の善悪の判断がついていたりする。人格とわかるものは破綻しないし、文脈がおかしくても記憶も破綻してはいない。衰えたといってもその人の証明たるルーツや魂は損なわれていないように思う。自分の製作の発端に魂を他の肉体に入れ替えるというエジプト神話のようなことを考えていた。体は衰えるが魂は衰えない。何か強い存在を感じる気づきだったと思う。
生涯育て鍛える自らの精神について、幼い頃の祖母に感じた精神は今もあり、その精神をこれからも大事に会話をする。時間が経つことで徐々に明らかになるそれをどこまで研ぎ澄ませていけるだろうか。自分の制作テーマの中で形にしたい物の一つです。




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